更新2021.03.17
3月15日,大規模な黄砂が中国北京市を襲いました.街がオレンジ色に霞むほど視界が悪く,健康被害も懸念されています.また,北京の2つの空港で欠航が相次ぎました.メディアで「この10年で最悪」と報道されたのを聞き驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか.
この黄砂は翌16日には日本海北部まで、17日には本州にも到達しました.
黄砂と呼びますが、実際に飛んでくるのは砂ではなく、砂塵嵐で発生した砂より細かい部分(30ミクロンから5ミクロン)だということが大事です.砂塵嵐を発生させた風については後述の山川さんの記事を御覧ください.この時期になると黄砂が発生するのは,冬季には地表が凍結したり(凍土帯),雪で覆われたりしていたのが,融けて地表が乾燥し始めたことを意味します.それが黄砂の始まる季節です.
15日3時から16日15時までの黄砂の範囲(予測を含む)【気象庁黄砂情報による】
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ところで,「この10年で最悪」ということは,10年前以前はどうだったのでしょう.
北京市の黄砂といえば,時代は遡って2007年に,史上まれにみる規模?の黄砂があり,航空機もストップしました.また北京の研究機関でも建物の隙間から黄砂が入り込んで,情報機器が使えないなどの事態も発生しました.今回はどんな状況なのでしょうか?
遠藤会員が中心になって運営していた「自然災害と環境問題」というサイトでは,毎年黄砂についての報告をしてきました.中でも2007年に山川会員が投稿した「2007年5月26~27日の稀にみる大規模黄砂について」という記事では,詳細に黄砂飛来のメカニズムを解説しています.是非ご覧ください.
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