2. 福徳岡ノ場の8.13大噴煙はとらえられていた

2021.11.02

 海上保安庁海洋情報部 海域火山データベースの「福徳岡ノ場」のページを見ると,過去の噴火経緯などが詳しく載っていますが,さらにうしろに写真と動画があります.写真の15枚目が大変重要なもので,この8月13日大噴火の噴煙柱が写っています(第3管区海上保安本部撮影).巨大な噴煙柱は成層圏にまで突入したと思われます.動画の方には噴煙の推移がとらえられています.その大噴煙柱の写真は、1991年のフィリピンのピナツボ噴火の噴煙柱を彷彿とさせます.

 

 ⇒《今日は何があった日?》1991(平成3)年ピナツボ火山の噴火

写真 福徳岡ノ場の大噴煙  撮影:第三管区海上保安本部
写真 福徳岡ノ場の大噴煙  撮影:第三管区海上保安本部

1. 8月13日福徳岡ノ場海底噴火

(c)気象庁
(c)気象庁

 過去にも海底噴火を繰り返してきた福徳岡の場から海底噴火が始まり,新島が形成されたそうです.福徳岡の場は,2013年に噴火を始め陸地を拡大して話題となった西之島から南へおよそ335km,小笠原諸島の南にある硫黄島から南へおよそ60kmの所にある海底火山です.

 

 Windy.comを見ると,本州の沖合にSO2の巨大な帯が来ています.福徳岡の場の位置から始まってはいないのですが,酸化硫黄(SO2)を含む噴煙が一定程度上昇してからとらえられているとすれば,海底噴火に由来するものである可能性は高いと思います.8月13日以前には認められませんでした.

 

*Windy.com:風,雨・雷,気温,雲などの気象情報のほか,PM2.5,エアロゾル,オゾン層,SO2などの大気質などが地図上に視覚的に見ることができるサイトです.
url : https://www.windy.com/ja/-SO2-tcso2?tcso2,35.639,139.658,5

噴火警報・予報:火山名 福徳岡ノ場 噴火警報(周辺海域)2021年08月16日14時00分 気象庁
発表見出し

<福徳岡ノ場の噴火警報(周辺海域)を切替>  福徳岡ノ場の周辺海域では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石やベースサージ(横なぐりの噴煙)に警戒してください。

<噴火警報(周辺海域)が継続>

火山活動の状況及び予報警報事項

 海上保安庁が昨日(15日)実施した上空からの観測によると、8月13日から海底噴火が始まった福徳岡ノ場では依然として活発な噴火活動が続いており、直径約1kmの馬蹄型の新島が確認されました。また、噴火による浮遊物(軽石等)が、北西方向に約60kmまで流れていることが確認されました。

 これらのことから、福徳岡ノ場では今後も活発な噴火活動が継続する可能性がありますので、福徳岡ノ場の周辺海域では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石やベースサージ(横なぐりの噴煙)に警戒してください。

対象市町村等

以下の市町村では、周辺海域で警戒をしてください。

 東京都小笠原村

防災上の警戒事項等  周辺海域では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石やベースサージ(横なぐりの噴煙)に警戒してください。また、噴火による浮遊物(軽石等)に注意が必要です。

出典:気象庁HP